洋包丁(両刃)のこだわり_追求した実用性とデザイン_Nenohi Record Vol_8

子の日の主力製品である「NENOX」。一目見ただけで、子の日の洋包丁と分かるハンドルのデザインと種類の豊富さは、お客様に長年ご愛顧いただけている理由の一つだと自負しております。

前回は子の日の洋包丁の「製造」についてフォーカスを当てましたが、今回は子の日の洋包丁の大きな特徴である「ハンドル」について、さらに掘り下げていきたいと思います。


-ハンドル設計-

<実用性を叶える手元重心の設計>

NENOXのハンドルは手元に重心があります。初めてNENOXを手にされる多くの方々が、手元の重量感に驚かれます。この手元重心こそが、NENOXのこだわりの一つです。
手元に重心を持たせた構造にすることで、手の中にハンドルが収まり、刃が軽く感じられ、取り回しが利く実用性の高い握り心地を実現します。
重量感はあるのに長く使っていられる、食材を切り進んでくれる、そんな感覚を持つことができる設計です。

<手が馴染むデザイン>

握った時に包丁が手のひらに吸い付いていくかのような手馴染みの良いデザインに仕上げています。
この「曲線美」は職人が一つ一つ手仕事でハンドルを磨いて仕上げているからこそ実現できる美しさです。
NENOXのハンドルは、口金と尻金が付いた上に、フルタング構造という珍しいデザインで、NENOX誕生当初は「奇抜」や「派手」など、馴染みづらいという意見を頂いておりましたが、今となってはハンドルの握り易さからプロのシェフに評価され、このデザインを好んでお買い求めいただくほど、子の日の「アイコン」と言える人気デザインになりました。

<幅広いニーズに応えるために>

NENOXユーザーからのニーズを応える形で、「どなたにとっても握り心地の良いハンドル」の研究に近年取り組んできました。NENOXのデザインを継承したまま、ハンドルの幅や長さ、厚みの微調整を繰り返しました。
その研究の結果、新たな選択肢として「梛-NAGI-」シリーズが誕生しました。

「梛-NAGI-」はNENOXと比較して約10%の軽量化を実現。軽量化しつつも、手元の重心を残したバランスで、実用性の高い握り心地を実感いただける構造となっております。
今後は「NENOX」と「梛-NAGI-」の2本柱で、さらに多くの方へ子の日の洋包丁を手に取っていただけるよう展開していきます。

-ハンドル材-

<他に見ないデザインとバリエーションの豊富さ>

子の日の洋包丁のハンドルの種類は定番化していないものも含めると20種類以上。ハンドル材は常にビジュアルのかっこよさも追求してきました。材料の仕入れは国内に留まらず、世界中からハンドル材を仕入れています。

子の日のハンドル材は「カスタムナイフ」からインスピレーションを受け、これまでに包丁には使われてこなかったような材料を数多く取り入れてきました。
元々は「カスタムナイフ」向けに製作していたものを「子の日の包丁」に合った製作方法に変えてもらうという、一からのスタートだったので、仕入先との関係構築にも尽力しました。

また、子の日では加工が難しい(削りにくい)材料であっても、質の良い研磨材を材料によって使い分けながら職人の手仕事で削り、磨き上げているため、一般的には製品化が難しい材料であっても製品化を実現できているのです。

<経年変化が少ない材料の選定>

ウッドやボーンといった「天然物」の材料は、土地ごとの気候や湿度の違い、使用年数等によって、素材自体が変化する傾向があります。子の日が選定する素材は、比較的素材の変化が少ないものや、素材の変化を最小に抑える加工が施されているものを採用しておりますので、数年先でも機能を損なわず、見た目の美しさを保ちます。
新たなハンドル材の開発は、これまでの経験に基づき、上記の条件を叶えられるような材料を世界中から入手して研究を進めています。


また、天然材とは打って変わり、経年変化が殆どない「ハイテク素材」の研究にも取り組んできました。ハイテク素材は性能が高い分、加工が難しい素材ですが、子の日の精度の高い技術により、製品化を実現しました。
現在では「カーボンファイバー」、「グラスファイバー」といった素材を採用し、さらにハンドルの選択の幅を広げています。


子の日の洋包丁としてこれからも変わらぬメインストリームで有り続ける「NENOX」と、そのコンセプトを受け継ぎ姉妹ブランドとして新たな選択肢となる「梛-NAGI-」。
子の日は現状に留まらず、ユーザーのニーズに応えるべく、アップデートを繰り返し、新たな挑戦を続けていきます。