ソリッドとクラッド_Nenohi Record Vol_1

包丁には主に2種類の「構造」があります。「ソリッド」と「クラッド」です。
包丁の「作り方」と考えた方が分かりやすいかもしれません。
この2種類の作り方は、それぞれ違いがあり、メリットとデメリットがあります。


【 ソリッド 】
  「切れる鋼材」のみで作られている包丁の事。(全鋼、本焼の構造)


<メリット>
  ・同鋼材の場合、クラッドに比べ性能が高い(当社比)
  ・包丁が曲がりづらい。
  ・曲がりづらいため、正確な刃付け(研ぎ)が可能で、切れ味が出しやすい。
  ・全てが切れる材質のため、どのように研いでも切れ味が出せる。

<デメリット>
 ・高性能なソリッドを使うと、極端に製作難易度が上がる。
 ・刃に装飾が出来ない事が多く、ダマスカス模様のような見た目の特徴が出しづらい。
 (ただし「ハガネの本焼」は刃文が浮かび美しい)



【 クラッド 】
 「柔らかい軟鉄」と「切れる鋼材」を組み合わせて作られている。(複合鋼、カスミの構造)
 一般的なダマスカス包丁もクラッドに分類される。


<メリット>
 ・同鋼材の場合、コストパフォーマンスに優れる。
 ・ダマスカス模様など包丁に美しい装飾がしやすい。
    *片刃出刃包丁などは性能面から見てもクラッドが最適。
       (厚いため曲がりづらい、刃欠けの直しが容易など)

<デメリット>
 ・同鋼材の場合、ソリッドに比べ性能が低い(当社比)
 ・包丁が曲がりやすい。
 ・刃先に切れる材質が出る様に研ぎに注意する必要がある。


【参考情報】
<比較検証動画>

 

<包丁断面構成図>